飛蚊症

飛蚊症とは

追加参照元:参天製薬ホームページより

飛蚊症は、多くの方が訴えられる、「なにかゴミみたいなものが見える」という症状です。

視界にごみのようなものが浮かんで見え、目を動かした方向についてくる、邪魔に感じられるなど不快なものです。ほとんどの飛蚊症は「生理的飛蚊症」と呼ばれるものであり、心配ないことが多いですが、目の病気を原因とするものもあるため注意が必要です。

参照元:参天製薬ホームページより

飛蚊症の原因

生理的飛蚊症

目の中には「硝子体(しょうしたい)」という透明なゼリー状の物質が、目の中の空間の大部分を占めています。この透明な硝子体に「濁り」が生じ、光が目に入ってくると、この「濁り」の影が網膜にうつるのが生理的飛蚊症の正体です。したがって、生理的飛蚊症は、背景が明るいところを見ると、症状を自覚されることが多いです。

加齢によって誰しも硝子体は少しずつ濁っていくものであり、よって、飛蚊症の症状に個人差はあるものの、いずれは誰にでもでてくるものであります。生理的飛蚊症は、年齢を重ねると症状があらわれやすくなりますが、特に近視の強い方は若いころから飛蚊症が出やすい傾向があります。

病的飛蚊症

病気が原因でおこる飛蚊症であり、下記の原因が挙げられます。

1網膜裂孔

網膜が裂けた時にも細かい飛蚊が急に出現します。網膜裂孔は網膜剥離の原因にもなりますので、早めに受診していただき、場合によってはレーザー治療(網膜光凝固術)を行います。

2硝子体出血

硝子体中に出血をおこすと靄のような飛蚊症を自覚することがあります。硝子体出血は、硝子体が網膜の血管を引っ張って傷つけたり、網膜裂孔ができたときに網膜血管を傷つけたり、糖尿病網膜症などに伴う新生血管が破れたりすることによっておこります。

3ぶどう膜炎

目の中で炎症を起こす病気です。自己免疫疾患や感染症から原因不明のものまで、原因は様々ですが、眼内の炎症で硝子体が混濁し、飛蚊症を自覚します。

飛蚊症の治療

生理的飛蚊症の場合は、基本的には特別治療は行いません。発症したばかりの時は、かなり気になると思いますが、硝子体中の濁りは移動するため、視線から外れた場所に移動すれば、あまり気にならなくなります。
どうしてもうっとおしくて我慢ならない場合は、硝子体に浮いている濁りを物理的に取り除くほかなく、今のところお薬などはありません。
硝子体中の濁りを取り除くには、硝子体手術を行う必要がありますが、保険適応はなく、大がかりな手術となるため、通常手術まで行うことはありません。また、生理的飛蚊症に対するレーザー治療が海外を中心に一部で行われていますが、あまり普及はしていません。

病的飛蚊症の場合は、その原因となった病気を治療することが必要です。いずれの原因も視力に影響する可能性がありますので、速やかに眼科を受診することをおすすめいたします。