白内障

白内障

「白髪(しらが)」など、年齢を重ねるうえで避けられない人体の変化がありますが、目にも加齢によってどうしても起こる変化があります。「白内障」は、そのような症状とたとえることができます。
白内障とは、「水晶体(すいしょうたい)」という、カメラで例えるとレンズのような部位が濁ってくる状態です。多くの白内障は「加齢性白内障」であり、ごく一般的な、年をとれば避けられない病気なのです。

参照元:参天製薬「白内障の症状と治療」パンフレットより

白内障の原因

白内障の原因は以下があげられます。

1.加齢…ほとんどの原因を占めます。
2.先天性…視力に影響しないものが多いですが、稀に幼少時に白内障手術を行う必要があることもあります。
3.外傷性…目をぶつけたことが原因で白内障になることがあります。
4.アトピー…慢性的に目をこすったりすること、つまり慢性的に外力を加えることが原因ではないかという説があります。
5.薬剤…ステロイドを長期投与している方は注意が必要です。
6.放射線…癌の治療などで目に放射線が照射されると発症する可能性があります。
7.眼内の炎症…ぶどう膜炎や虹彩炎などの目の炎症が原因となることがあります。

白内障の症状

白内障の症状としては「目が見えづらい」ととうい症状です。具体的には、視力の低下や、視界のぼやけ・かすみ、光が以前よりもまぶしく感じられる…といったことがあげられます。進行してくると、メガネをつくり変えてもなかなか合わず、矯正できなくなってきます。

白内障の予防と治療

予防法

1紫外線から目を守る

ほとんどの白内障は老化現象であるため、白内障にならないことは難しいのですが、できるだけ発症や進行を遅らせるためには、紫外線を避けるとよいでしょう。サングラスをかける、日傘をさす、帽子をかぶるなどの自衛策がおすすめです。

2抗白内障薬

白内障に対する点眼液を点眼することにより、白内障の進行抑制効果があることが報告されております。ただし、点眼により白内障が改善するわけではなく、全くすすまなくなるわけでもありません。進行を遅くするための点眼液です。

手術療法

参照元:参天製薬「白内障の症状と治療」パンフレットより

白内障を完治させるには手術が必要となります。白内障手術は、固く、濁った水晶体を超音波が発生する器具で砕き、吸い取ります。そして、人工の眼内レンズに入れ替えます。手術は局所麻酔で、通常20分程度で終わります。眼内レンズにはコンタクトレンズのように度数が入っており、目に入れるレンズの度数により焦点が合う距離が決まってきます。

参照元:参天製薬「白内障の症状と治療」パンフレットより

極端な例を挙げると、たとえば手術前は近視の目の方が、「術後遠くを眼鏡なしで見えるようにしたい」と希望した場合、適切な度数の眼内レンズを入れることにより、術後眼鏡なしで遠くが見えるように調整することが可能です。しかし、注意しなければならないのは、白内障の手術をすると調節力が失われます。つまり、自分の目の力でピントを合わせることができなくなるため、白内障手術で遠くが見える眼内レンズを入れ、もともとあった近視をなくした場合、術後は近い距離を見るために老眼鏡が必要になります。
逆に手術で近くにピントがあうようにした場合、手元は眼鏡なしで見えますが、遠くは眼鏡が必要になります。ですから、手術を行う前に必ず“眼鏡なしで”近くが見えるようにしたいのか、遠くが見えるようにしたいのか、自分の生活スタイルをよく考えて、事前に決める必要があります。

白内障手術の適応は、矯正視力が(0.7)未満に低下した場合、手術をおすすめしています。ただし、「見える」、「見えない」というのは自覚症状ですから、やはり自覚症状が最も大事だと思います。ですから、視力の値よりも、見え方で不自由を感じているかどうかで、手術の時期を決断されても良いと思います。
また、「緑内障」で説明したように、特に遠視の方は目の中で作られているお水(房水)の排水口がある、隅角の構造がもともと狭いため、白内障が進行すると、隅角が閉塞し、お水が目の中に貯まり、眼圧が上昇するタイプの緑内障を起こす危険性あります。ですから、隅角が狭い方は緑内障の予防のために、少し早めに白内障手術をうけると良いと思います。

当院では手術を行う設備がまだ整っていないため、白内障手術は信頼のおける先生にご紹介しております。「白内障手術は簡単」、「白内障手術はすぐ終わる」、そんなイメージがあると思います。確かに他の手術と比較すると成功率も高く、比較的安全な手術だとは思うので、過剰に心配する必要はありませんが、やはり術者の技量は大切です。「どこの病院で手術を受ける」、ということよりも、「誰に手術をしてもらうか」、が大切です。マスコミなどで取り上げられて世間的に有名になった先生方も確かに素晴らしい腕を持った先生方ですが、当院では私たちが実際に現場をみて知っている先生方を自信をもってご紹介しております。