はやり目

はやり目とは

「はやり目」とはウイルス性の結膜炎です。流行性結膜炎が「はやり目」としてよく知られていますが、ウィルスを原因とする結膜炎には、いくつかの種類があります。流行性角結膜炎、咽頭結膜熱(プール熱)や急性出血性結膜炎などが挙げられますが、ウイルスの種類、感染してから症状がでるまでの無症状の期間(潜伏期間)等などがそれぞれ異なります。
いずれの場合も注意すべきなのは、ウィルス性結膜炎は、他の結膜炎とは異なり、周りにうつる可能性があるということです。

はやり目の種類

はやり目には下記の種類があります。

原因ウイルス
流行性角結膜炎: アデノウイルス(8型、19型、37型)
咽頭結膜熱:   アデノウイルス(3型、4型、7型)
急性出血性結膜炎:エンテロウイルス70型、コクサッキーA24型 

はやり目の症状

はやり目の共通した症状は、目が赤い、涙が出る、メヤニがでる、です。
それぞれの疾患によって、特徴があります。
1. 流行性角結膜炎
まぶたの腫れ、耳前リンパ節の腫れ・痛みを伴うことが多いです。感染してから発症するまでの期間(潜伏期間)は7日から10日で、発症して約1週間で症状のピークをむかえ、発症して約2週間で症状が改善し、感染力もなくなっていくことが多いです。 また、流行性結膜炎には、注意すべき合併症があります。たとえば、ひとつは角膜炎です。流行性結膜炎の治りかけに、角膜上に白い斑点上の混濁が出ることが症状です。通常は視力が低下することもなく、改善することが多いのですが、まれに重症化して、視力低下の原因になることもあります。
もうひとつが「偽膜(ぎまく)」です。
まぶたの裏に粘稠な膜がはり、まぶたと白目の表面をおおっている結膜がくっついてしまうこともあります。
偽膜は時間が経過してしまうと除去が難しくなるため、初めのうちに取り除いてもらうと良いでしょう。

参天製薬ホームページより

2. 咽頭結膜熱(プール熱)
小児に多く、夏にプールで感染することから「プール熱」とも呼ばれており、結膜炎、咽頭痛、発熱を三主徴とする疾患です。潜伏期は5日から7日で、3日から7日間持続します。症状が治まっても、喉から7日から14日間、便からは30日間ほどウイルスが排出し続けることもあるため、手洗い・消毒が重要です。

参天製薬ホームページより

3. 急性出血性結膜炎
潜伏期間が1日と短いため、急激に発症し、白目の出血(結膜下出血)を伴うことが特徴です。約7日間で回復します。

参天製薬ホームページより

はやり目の治療

はやり目は、消炎のためにステロイド点眼薬や細菌の2次感染予防のために抗菌点眼薬を用いて治療していきますが、根本的には体の中でウイルスに対する抗体が作られて良くなります。
治療と同時に大切なのは、できるだけ感染を拡大させないことです。
はやり目は学校伝染病に定められており、学校に通っている場合、出席停止扱いとなりますので、登校の際には証明書が必要になります。
社会人の方は基本的には職場の規則に従っていただくことになりますが、人との接触が多い業務の方はなるべく感染力がなくなるまでお休みするか、人とあまり接触しない業務に変えていただくことをお勧めします。
はやり目は、基本的にはウイルスを含んだ体液が接触することにより感染します。
例えば、はやり目に感染した方が、目やにや涙を手で拭いて、その手で身の回りのものに触れ、誰か別の人が同じところに触れ、目をこすれば、伝染してしまう可能性があります。
したがって、感染の予防には、患者さんが目を触ったり、涙やメヤニを素手で拭いたりしなこと、よく手洗いをすること、家族とタオル等を分けること、などが大切です。