急性内斜視
2019.01.22更新
ご覧になった方も多いと思いますが、1月21日に博多華丸・大吉さんが司会を務めるNHKの『あさイチ』という番組で、『急性内斜視』という病気についての特集がありました。内斜視とは決して珍しい病気ではありませんが、先天的な乳児内斜視や、遠視が強いためになる調節性内斜視など、比較的小さい頃から発症することが多い病気です。『急性内斜視』とはその字のごとく、今まで内斜視の症状が無かったのに、急に内斜視の症状が出でくる病気なのです。ですから、小さいお子さんに限らず、番組で紹介されていたような、今まで内斜視なんて生まれて一度と言われたことがなかったような中学生や高校生が急に内斜視になってしまうのです。スマホやタブレットの普及に伴い近年この『急性内斜視』が増えており、別名『スマホ内斜視』とも呼ばれ、眼科では問題となっております。今までなかった病気というわけではありませんが、近年本当に増えたな、と外来でも実感しております。当院では去年だけで3名もいました。番組でもご紹介があったように、まずはスマホやタブレット、近くを見る時間を極力減らすことが治療の第一歩だと思います。お子さんにスマホを見るのを止めるように言うのは容易ではありませんが、治らないと物が二重に見える、『複視』という症状が続き、見た目も片目が内側に寄っている外見になってしまい、最終的には手術をしなければいけなくなります。スマホやタブレットが普及して、生活は便利になったことの方が多いかもしれませんが、小さいお子さんの近視の増加や急性内斜視などの副作用には今後も注意が必要ですね。
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